アニメ批評「ステラのまほう」(2016年秋)

今回は、前期アニメ「New Game!」の過去編と揶揄されたアニメ「ステラのまほう」を批評したいと思う。こちらもゲーム作が主題となるアニメだが、New Game!とは違い1000枚も売れず大爆死してしまった。キャラクターたちはとても可愛かったのにどうしてこうなったのか。各話の批評後に総括で理由を述べることにする。各項目に対する評価の記号は、分かりやすいと好評だった前回のものを踏襲する。

◎=とても良かった点・評価に値する点

○=良いと思った点

□=ただの独り言

△=あまり良くないと思った点

×=良くない点・改善すべき点

 

1話「スタート地点」
× 珠輝が中学時代(のみ)を田舎(富田林)で過ごしたことがさらりと語られているが、現在の珠輝の家が富田林にあるなどといった勘違いをしている視聴者が散見された。少々特殊な環境であるため、もうすこし分かりやすく演出すべきであったと思う。
○ OPではドット絵やドット文字を用いたり、少し笑える箇所もあったりして良い。曲も良い。
△ 椎奈の声が完全にラム。狙いすぎ。
茶道部に居た着物を着た人が顧問の先生なのか部員なのか分かりづらい。
△ 「しーさんや、さっそく言ってること変えちゃって」の「言ってること」が何をさしているのか分かりにくい。(若い笑顔がまぶしい→新入生っていいわね)
× プレイしているときのゲーム画面を少しでもいいので見せて欲しい。
○ 裕美音と仲良くなったきっかけのシーンが7話の伏線になっている。
◎ よーくしみてる。いいきんぴらだ!
◎ 珠輝の「もう目的無く時間を失いたくない」というセリフや、厳しいことを言う椎奈の思いがはっきりと伝わってくる。

2話「たのしい創作」
△ 「人ごみだと自分が笑われてる錯覚をする」のセリフの前に珠輝の顔に汗がでている。
SNS部の4人の横を、はーちゃんとその友達が通っている。
中二病時代の黒い服を着たあやめの姿のカットを入れて欲しい。
× 歌夜のパソコンから出ている音が、ヘッドホンからの音漏れなのか、ヘッドホンを繋いでいないのでパソコンから出ているのか、よく分からない。(あやめに「ヘッドホン付けてサギョれお前は」と言われていたので後者であろうが、前のシーンで歌夜がヘッドホンを付けているので非常に分かりにくい。)
◎ 歌夜の裸足からのソックス履きの描写が丁寧。

3話「伝道アイテム」
○ 珠輝がふとした瞬間に方言が出てしまうのが良い。
△ 抹茶の入った茶碗の大きさがシーンによって変わりすぎている。
× おばあちゃんの豹変の演出が不自然。鬼の形相で包丁を振り上げていたが、珠輝はおばあちゃんのことを「優しい」と言っていた。珠輝はその様を見たことが無いのか?怒ると怖い、などの布石があったほうが自然に思える。また、「鹿威し」そのものではなく、「鹿威しの音」で遊んでいただけなのにあれほどまで説教を食らう理由が謎。パソコンのことをテレビと呼んでいたので、デジタルなことが理解できていないのか?(その後のあやめがおばあちゃんにぶつかったシーンで怒られたときに、珠輝は何も言っていなかったので二面性を知っていたと見られるため、やはり不自然である。)
× 歌夜が珠輝のお母さんを見て、「お母さんも優しそうだね」と言っていたが、あれだけおばあちゃんの怖い姿を見たのにもかかわらず、おかあさん『も』というのは違和感がある。
× あやめの入浴シーンがカットされている。一瞬でもいいから見せるべき。このような視聴者の期待を裏切る行為は、あんはぴ♪と同様に爆死を招く。
△ 裕美音が戻ってきたシーンで、ポメラ(?)がテーブルからいきなり現れたり、描き方が雑でガラケーに見える箇所がある。(背景の小物なら気にしないが、大切なアイテムなのでちゃんと描くべきである。)
△ 銭湯のシーンで6人映っている。右端の1人は一般客か?初見だと主要キャラかモブなのか分かりにくい。1人だけなら居なくてもよいと思う。
× 銭湯シーンでテロップ(スタッフロール)出すな。
△ 銭湯で歌夜の髪形が変わっただけで誰か分からないというネタは無理がある。

4話「スキルアップ
○ 珠輝の回想シーンで、あやめの「ストーップ!それ関係ないから!!」という関係ないセリフが入っていて面白い。
× どうして照が歌夜のことを「ふよんちゃん」と呼んでいるのか説明が無い。
△ 制作途中の選択肢のおじさんも見せてほしい。

5話「カウントダウン」
△ 椎奈が珠輝の口から体温計を取るまでの一連の珠輝のセリフ「えっ、ふぐっ」が表情と合っていない。
△ 気分が悪いときに描いたと思われる珠輝の絵が使いまわしで混乱を招く。
□ どうして春馬(あやめの上の弟)との電話を繋きっぱなしだったのか。
おかゆがきちんと描けている。というのは冗談で、椎奈の考えていることや思いを分かっているあやめの描写がとてもよい。
× あやめが円盤オンリー(イベント)の日程を知ったのはコミマ落選を伝えたとき(イベント6日前)なのか、コミマ落選を知ったとき(イベント7日前)なのか、あやめの発言が矛盾していてよく分からない。椎奈に「開催は?」と聞かれたときに初めて確認したかのように「6日後・・・?」と言っていたが、イベント前日には「あんとき(7日前)は一週間しかねーのに仕上げるとかねーわって思ってさー」と言っている。(←とっさについた嘘か?)
× 3話の珠輝の部屋にあったカレンダーに「2016」の文字があるため、西暦2016年の世界であると考えられるが、円盤オンリーの入場券に書いてある開催日は6月9日(日)となっている。(西暦2016年6月9日は木曜日)
△ 廊下と二人の女子が映っているカットで、窓および扉の外の色が暗く、夜になってしまったかのように見える。
△ 珠輝が「描き直したいな~、なんて~・・・」のあとの「あは、あはは」と言っているシーンで珠輝の口がきちんと動いていない。(場面の切り替えが上手くいっていない)
△ 夜になってしまったが、朝になる前に1周くらい通しでプレイしてもよかったのではないか?
○ 「ステラのまほう」の由来を説明しているときの、☆の頂点に椎奈が2人いる。
◎ この回、髪をおろした珠輝をたくさん見ることができた。

6話「そくばいかい」
× 椎奈が改札から去っていくときに顔が平気な感じがして仮病に見えてしまう。
SNSでの宣伝すらしなかったSNS部。
△ 珠輝が付けているウサ耳が時々消えている。
□ 37.2℃は平熱と言っていたが、微熱だと思う。
× 良いメロディーが思い浮かんだという歌夜が、てっきり帰ってしまったように見えてしまう。どこにいるかをきちんと描写すべき。
△ 珠輝のセリフ「似合わなくても」ではなく、「似合わないって思っていても」のほうがよかった。
△ 「時間かかっちゃうかも」と言いならが、いつものスケッチブック1冊買うだけだった。門限が早い裕美音を気遣ったのか?

7話「はじめての思い出」
△ 水葉(はーちゃん)が「一人ずつ引導を渡してみせる」と言っていたが、敵意を向けているのは珠輝とあやめにだけ。
◎ ワタシハパパガスキデース(^q^)
◎ 珠輝が股間(鼠径部?)を押さえるシーンがあったり、投げっぱなしにせずきちんと誤解を解いた(そのシーンは無かったが)ことをモノローグで語っている。
△ 裕美音と幼稚園が同じだったサイドテールの子は、もう少しかわいい声の方がよかったと思う。(外見と合っていない)
△ 5回休み→8マス戻るのときに珠輝はサイコロを振っていない。
◎ 珠輝お手製のすごろくや遊びを通じで心を開いていく裕美音と、挿入歌「プ・レ・ゼ・ン・ト」とがマッチしていてとてもよい。(ちなみにこの挿入歌は、OP「God Save The Girls」のCDに収録されている。)
○ Aパートで影響を受けたのか、珠輝と歌夜のBLを描こうとしている裕美音。
× エンディングのクレジットで、水葉の苗字がネタバレされている。

8話「デバッグなめたらダメだよ?」
△ 珠輝が「星屑のインテンツィオーネ」の「嗚呼、運命の星たちよ」からのセリフが棒読みで、声に出しているように聞こえてしまう。
□ 水葉にはバグを潰した修正版を渡していたが、イベントで購入および譲渡した人には修正版は渡せたのか?(ホームページにもパッチは無い)
△ Iri§先生ではない人だと思っている人にサインを書かれたのだから、水葉はもうすこし怒るべきだと思う。
△ ストーリー上しかたないとはいえ、あやめがここまでIri§であることを主張しすぎないのは少し無理があると思う。
◎ 写生した→写生!?

9話「スキルアップその2」
村川梨衣演じる椎奈の咽る演技が上手い。
□ あやめがサインを書くときのマジックを持つ手が上すぎる。
□ 関先輩の吐血の量が多すぎる。
× 飯野夏(水葉の姉)が「ちょい左腕の長さおかしいかも」と指摘していたが、珠輝の絵に左腕が無い。
△ 珠輝と絵を描くのを交替したマリカの座り位置が、裕美音と逆になっている。
△ 下痢のような音のSEの音量が大きい。
◎ セクシーなポーズをとる珠輝

10話「精密機械」
△ 珠輝の「うん、パパ愛してる」のセリフを切り取って何回も再生する者も多いだろうが、OPの出だしとカブって邪魔になってしまう。ちゃんと配慮して、「愛してる」の後からOPを流したほうが良かったし、そうしても違和感は無いだろう。
△ 照が頭にしていたのは猫耳カチューシャではなく本物の猫を乗せていたようだが、モコっとした感じが無く、耳の間隔や大きさも実物とは全く違っていたし、どこにどう潜り込んでいたのかよく分からない。
△ 「あれ、その髪…」と言ったあと関先輩の頬がうっすら紅潮していたのは、珠輝の髪型を見てそうなったのか、照の髪飾りを見て照を思い出してなのか、分かりにくい。
○ ご飯に対してきんぴらの量が多すぎる。
□ 閉じ忘れた画像を見られたときShift+Delete等ではなくAlt+F4なのは珠輝が再び開くことは無いと信じているから?
× Iri§が眼鏡を落とした後の水葉が「この眼鏡…」と言っているシーンのIri§の表情が無表情で違和感。もうすこしやってしまった感のある表情のほうが自然だった。
◎ 椎奈が「あーっと!」とIri§と水葉に割り込むシーンで、持っているノートPCの画面がちゃんとコラージュが映っている。
△ 珠輝のスカートの中が見えていて、スカートの青色と同色のパンツを穿いているように見える。今まで徹底してパンチラを排除して、「はいてない状態」にしていたのだから、ここもそうすべきである。もし意図的にパンチラを描いたとしたなら、作画ミスにみえないような別の色にすべき。
□ 珠輝が脱ぐシーン、個人的には脱いでいる過程のシーンも少し欲しかった。いきなり脱いでしまっては勿体無い。
△ 珠輝が椎奈のノートPCを落としてしまった後、起動しない原因はバッテリー切れだということが分かったが、落としたことでキズは無かったのかどうかの描写が無い。キズが無かったのなら、「傷も付いていませんし、大丈夫ですよ。」などの椎奈のセリフが欲しい。

11話「お困りですかお嬢さん」
× オープニングで各キャラクターのレベルが上がっているが、最終話でもなく11話という微妙なタイミング。最終話ではオープニングが流れないので仕方ないとはいえ、とってつけた感が半端ない。各話において、前回の話でレベルが上がったような描写があればそのときに随時レベルアップしていく、というほうが視聴者を飽きさせず楽しませる演出になったと思う。オープニングの出来が良かっただけに非常にもったいない。また、歌夜のレベルの上がりが少ない。アニメ内で音楽に対して真摯というイメージが強いのだから、全体的にもっとレベルを上げるべき。
△ あやめが椎奈の家の前から飯野家の車を見て「あんな車初めて見た」と言っていたが、9話で裸眼では2メートル程度の距離にいた水葉もよく見えなかったことと少し矛盾する。
◎水葉の私服が子供っぽい。
△ 勉強合宿や試験直前、試験中、試験直後の様子はすべてカット。(珠輝の夢もあり、流れが少々分かりにくい。)
○ 茂みでごそごそしている音の主をパパと勘違いする珠輝と、なぜか茂みに隠れていた水葉。
□ 照はどうして「ドリンクならまかせろー」の流れを知っているのか。

12話「もう一度スタート地点」
○ 1年生と2年生がそれぞれ固まって寄り添って寝ている。
○ 1話のタイトルが「スタート地点」であり、この12話のタイトルで反復されている。
△ テマワリ水産の作品を買った人の声が夏(水葉の姉)と田山(飯野家のメイド)であったが、「新譜」や「2枚ずつ」という初心者ではない言葉を使っていたので別人(モブ)であろうが、勘違いを招きやすい。声をもう少し変えるか、別人を起用すべき。
□ スケブの人の首ひも(?)の色が一瞬だけピンクになっている。(「来ちゃいました」の発言の直前)
△ オープニングテーマ「God Save The Girls」をフルで流していたが、後半はキャラのセリフや珠輝の語りを入れたほうがよかったように思える。CDを買わなくてもこれで全て聴けてしまうし、手抜きと捉えられかねない。

総括

最後まで観て思ったことだが、全体的にストーリーが薄い。7話は例外的に前半にエロあり後半に感動ありと良かったが、他の話は悪い意味で日常系アニメといった感じで少々退屈な思いにさせられる。また、飯野姉妹(夏と水葉)や、前部長の照先輩に嫌悪感を持ってしまう視聴者も多かったと思う。また、演出や描写に関しても、分かりにくかったりする点が多く見られたことも爆死の原因であろうと思う。個人的には、珠輝は髪を下ろしていたほうが圧倒的に可愛いし、プール回(スク水)なども見たかった。視聴者の需要に応えられなかった、という点も大きいのかもしれない。何にせよ、2期は絶望的である。原作で続きを読もうにも、画風が違いすぎて違和感を覚えてしまうかもしれない。アニメ化にあたってかなり可愛いキャラデザに仕上げたようだが、「かわいいだけ」では売れないということを証明した作品となってしまった。