アニメ批評「ガヴリールドロップアウト」(2017年冬)

キャラクターも可愛く、ストーリもギャグテイストでパンチラ有りと、通常なら1万枚レベルの売り上げが期待できるアニメだが、現実は厳しく4000枚程度しか売れなかった。なぜこうなってしまったのか、1話ずつ検証しようと思う。いままでと同様に、各話の批評後に総括で詳しくこの理由を述べることにする。各項目に対する評価の記号も、今までのものを踏襲する。

 

◎=とても良かった点・評価に値する点

○=良いと思った点

□=ただの独り言

△=あまり良くないと思った点

×=良くない点・改善すべき点

 

1話「もう戻れないと知ったあの日」
× なぜゲームが起動していたのか?「これが下界の遊戯」というガブリールのセリフから、ゲーム画面を初めてと思われる。(ラフィエルが仕込んでいたという説が流布しているが、それならそのことを匂わすシーンを入れておくべきであるし、そうでないならサイト内の広告などからゲームがいきなり始まってしまったなど、無理なく疑問点のないように演出できるのにしないのはどうかと思う。)
□ 「失敬な、昨日からだよ」というのが、初めてゲームをやったのが昨日だったと誤解してしまっている視聴者が見受けられるが、これはヴィネットの「朝からネトゲやってるんじゃないわよ」を受けてのセリフである。
◎ ガヴリールのパンツの色が白。天使らしくてとてもよい。(しかも余計な模様やフリルも無いワンポイントのリボンのみ)
△ 神足通(じんそくつう)において、先生が「下界の人々には見られないように」と言っていたのに対し、ガヴリールは「つまり犯罪もバレなきゃセーフ」と言っていたが、教室に移動したらバレるのでは?(幸い中の不幸でパンツだけの移動となったが)
◎ トイレ中のサターニャの紫と白のしまパンが拝める。
× 座ろうとしている人の椅子を引いてこけさせるという行為は、後遺症レベルのケガを招きかねないマジで超弩級悪魔行為である。大した事の無い行為を超弩級悪魔行為といってウケを狙った演出であろうが、失敗している。
□ 結局、サターニャはトイレットペーパーはどうしたのか。(とても気になる)
◎ 伝説となったサターニャの泣き顔
○ 「自動更新シャットダウンうざ、死ねよカス・・・滅べ!」というウィンドウズ利用者の気持ちを代弁した一言。
□ ヘッドセットを使って何をしようとしていたのか。気になる。
□ 合鍵での不法侵入(住居侵入罪)は十分悪魔っぽいぞヴィーネ!
○ ゴキブリを潰そうとするときのガヴリールの白パンチラがナイス。
□ ラフィエルが自分のことを通りすがりの学生と言っていたが、学生とは大学生のことを指す。(ラフィエルは高校生)


2話「天使と悪魔と委員長」
△ 一味唐辛子ではなく七味唐辛子なので多めにかけてもそこまで辛くはならないので、サターニャの味音痴感が薄れる。
△ ガヴリールのナース姿のイメージ画が小さい。
△ ガヴリールがニンジンとジャガイモと玉ねぎを買ったスーパーの名前が「MixValu」であり、おそらく「MaxValu」のもじりであると思われる。わざわざ好感度の低い(中国産や韓国産)スーパーを出さなくてもよかったと思う。
□ 蛇口の位置が逆で使いづらそうな流し台。
○ サターニャの部屋の窓が映るたびに、ラフィエルが開けた穴がきちんと映っている。
○ ラフィエルの「最近欲求不満でして」の発言で赤くなるサターニャ。
○ ちゃんとラフィエルの頼んだカフェオレとサンドイッチを買ってくるサターニャ。


3話「友と勤労と虫刺されの夏の日」
△ マスターの喫茶店と、ヴィーネとラフィエルが入った店が同じ店だと思ってしまう視聴者が散見された。雰囲気は異なるが、誤解を招くような同じコーヒーショップではなく、ファミレスなどのジャンルの異なる店にしたほうがよかった。
△ シュークリームを食べた後のラフィエルのリアクションが嘘(本当は激辛カラシシューをだった)のように見える。
◎ ガヴがヴィーネのTシャツの匂いを嗅ぐときに下が見えたり、髪の毛をどかすしぐさや、喘ぎ声と、至れり尽くせり。

 

4話「いざ夏休み」
× ヴィーネがサターニャをあとで誘おうと思ってたと言っていたが、特に忙しそうにしていなかったし、わざわざ後で誘う必然性が無い。
△ スイカ(サターニャ)割りは、ギリ顔の前で外してあげたのだろうが、もう少し明確に描写してもよかったと思う。
△ サターニャにも「お邪魔します!」と言わせて欲しかった。
◎ 悪魔祓いの教科書を見せられたときのサターニャの声が最高。
○ ヴィーネがメモをポケットにしまうときに脇腹がチラり。

 

5話「その幻想を壊されまくった天使」
□ 猫の危険度をBに申請するときはあっさり済んだが、ガヴリールの危険性をA+に申請するときはぴこぴこぴこぴこ。
△ 掃除ロッカーがあったくぼみに入ったはずの椅子と机が一瞬で綺麗に配置されている。かっこいい演出だがどうしてそうなったのか、よく分からない。
○ ヴィーネが悪魔だと分かってもお茶に誘うタプリス。
◎ 今日は・・・燃えるごみの日じゃないですよ!!

 

6話「サターニャの逆襲」
□ ガヴリールがサターニャに発砲したとき、ヴィーネが「容赦ねぇ!」と言っていたが、容赦というより躊躇か。
× サターニャが先生に怒られたであろう後に、1話のような泣くシーンが欲しかった。あれだけ好評であったにも関わらずなぜカットしたのか。
○ 「湧きますよ」→「湧くなよ」の天丼
△ 将棋のルールを知らない人もいると思われるし、いまや世界中でも見られているため、王将は隣接するマス目にしか移動できないことを触れておいたほうがよかったかもしれない。
○ ラフィエルの微妙に吹けてないホイッスル
△ 熱湯風呂シーンをワンカットでもいいので入れて欲しかった。
△ サターニャが小道具として石膏像(上半身)を「こいつ服も着てないしちょうどいい」と言っていたが、脱ぐのは下だけのはずでは?
△ 委員長が「脱げばいいんでしょ!」と言いながら上を脱ごうとしていたが、脱ぐのは下だけのはずでは?

 

7話「ヴィーネの悪魔的な日々」
ネトゲアバターを着替えさせ満足するという、女の子らしい一面を見せるガブリール。
△ エンジェル珈琲のマスターがヴィーネのことを「私のコーヒーの数少ない理解者」と言っていたが、『若い子の中で』とつけないとマスターのコーヒーが一般受けしていないように聞こえてしまう。
△ ヴィーネの"悪い格好"よりもガヴリールのほうが着崩していることにふれて欲しい。
△ ノック式のボールペンはノックしたままでも乾かないし、ペンケースの内側が汚れることのほうが悪いことだと思う。
○ サターニャとハイタッチの後、Uターンするヴィーネ。
□ 「増えてない・・・。」よりも「減ってる・・・。」のほうが面白かったか。
パブロンがパブツモになっている。
× ヴィーネへのお見舞いのメロンパンまで奪わなくてもよかった。(結果的にヴィーネのメロンパンが奪われていることになっているため)
△ ガヴリールと一緒に宿題の紙もドアから放り投げるべきでは?
× ヴィーネの顔の落書きがオチに使われずそのまま放置。
○ 「ガヴリールの数え歌」

 

8話「秋の学校生活」
□ 握力測定のときラフィエルがブラを気にして記録が0kgとなっていたが、このときはブラは関係ないのでは?ガヴリールからの天丼(針が動いてない)を狙ったようだが、この疑問が頭をよぎりあまり面白くない。
○ 持久走を終え倒れたガヴリールを心配する委員長が可愛い。
○ 走るサターニャの腋チラ
△ このあとガヴリールは本当に試食部(調理部)に入ったのか?(今後一切、部のシーンが無い)
□ 蛇口の位置が逆で使いづらそうな流し台ふたたび。作画ミスではなく仕様だったか。
○ 蛙を怖がるラフィエルの叫び声がとてもよい。

 

9話「聖夜と晦日になんか来た」
△ ケーキ屋の娘であるのにケーキ作りのときにまったく主張しないサターニャ。「実家がケーキ屋だから~」的なセリフがあったほうがよかったと思う。
○ ラフィエルのサンタコスでの腋チラ
□ いつかラフィエルが開けたサターニャの部屋の窓の穴が無くなっている。
△ サターニャの浴衣姿を足元から見たかった。
× ガヴリールの娯楽物の持ち込みを企んだが、案も詰めも甘すぎる。また、PAP(PSP)・3DSの没収、PCは預かりとなったが没収されたものは返ってこないのか?それならもっと必死になるべきであるし、もっと悲しむべきである。(そうでないなら、没収と預かりという言葉を分ける必要が無くなる。)

 

10話「天使と悪魔故郷に帰る」
魔界と天界の門にある「またこい」「またおこしください」という、それぞれの世界の差の演出が面白い。
ハニエルは、ガヴリールがトランクを放る前に、声の低さと言葉遣いの違いでもっと早くガヴリールが変わったことに気がつくと思われる。
□ 瓶牛乳(?)を飲んだあとのガヴリールのマヌケ面
△ ヴィーネがチャッピー(魔獣)を散歩に連れ出そうとしたときに、ドアが壊れたのが初めてな様子だったが、今までどうやって散歩に出していたのか?
△ ヴィーネがチャッピーに連れて行かれるときのヴィーネの叫び声のタイミングが遅い。
○ チャッピーの炎でサターニャの髪の毛がチリっている。
△ お誘いの手紙を一番上のものしか見ずに断るラフィエル。2,3枚ぱらぱらめくるなどの演出が欲しい。
○ しれっとラフィエルに断られ処理される原作者(うかみ)
○ 校長室の椅子に座るが足が床についていないガヴリール。
○ 一瞬で目を覚ますガヴリール。
× 仕送りの額を決める人と活動費を決める人(学長)は別なのか?矛盾しないような説明が欲しい。
× ラストで「巨匠動く!!」となって11話へ話しが続くのかと思いきや、続かない。サターニャとゲートで待ち合わせ、天界に潜り込む方法を探る話を期待していたという意見がかなり見られる。視聴者をがっかりさせたり誤解させる演出は不要である。

 

11話「楽しい日々はいつまでも……」
□ サターニャはあまりお金を持っていないようだったが、それでも旭川までの交通費は捻出できたのか。
□ 11話にして初めてサターニャがメロンパンを食べるシーンが映された。
△ ガブリールのセリフ、茶番ではなく無駄話のほうが適切か。
△ タプリスがたこ焼きを球状の食べ物であると推測しているときのたこ焼き機の穴が浅く、形に違和感がある。
△ ラフィエルのセリフの「熱湯風呂」が「熱湯ブラ」に聞こえる。

 

12話「ガヴリールドロップアウト!」
× ゼルエルは犬嫌いであるが、地上に降り立ったときに出会ったプードルを怖がっていない。あえて犬と出会うシーン入れた意図が分からない。
□ ヴィーネの回想シーンにおいて、ガヴリールの数え歌を入れるなら、「お邪魔します!」のセリフまで入れて欲しかった。
○ 「ズコー!」のときのヴィーネの手
○ 北斗ネタ(パロディー)
◎ 堕天前のガヴリールを見ていたクラスメイトたちの心境を、集団幻覚説で辻褄を合わせた。
△ 歯が割れるサターニャ。演出であろうが痛々しい。
○ 机の下から出てくるヴィーネ、ドラえもん風に出てくるサターニャ、ガラスカッターを持って入ってくるラフィエルが面白い。
□ ガヴリールのサターニャのような笑い声。
○ ガヴリールに踏み続けられるサターニャ。
△ ガヴリールが留年しタプリスと同じクラスになる想像で、タプリスがガヴリールのことを「ガヴリール」と呼んでいたが、タプリスの性格的に「ガヴちゃん」のほうが自然か。

 

OVA 1話「湯煙旅情編~天使の清らかな肌に迫る悪魔の罠~」
ダンボール箱のmakai.comの文字が11話のときとは違い、ダサくなっている。
△ 「何だその量の荷物は」→「何だその荷物の量は」
○ 丸3日お風呂に入っていないガヴリール
△ 卓球勝負においてガヴリールが何もせず一瞬で勝利したように見えてしまう。(すぐにそうでないことが明らかになるが、演出としてはあまりよくないと思う。)
△ 卓球で浴衣がはだけるのは良いが、胸の描き方が微妙。
× ヴィーネの裸体から出る聖なる光が全身から出てしまう、というのは演出としては面白いが、常時ヴィーネの体が見えないというのは、せっかく円盤を買った人をがっかりさせてしまう。見えそうなときのみか、登場時のみの演出で十分であろう。
□ 天界・魔界の住人は子どもの頃からスライムによる触手プレイを楽しんでいたのか?
□ スライムがガヴリールを避けたのは風呂に入っていないからか?

 

OVA 2話「天使の贈り物」
□ このような話のワンカット・ワンシーンにおいて逐一批評を垂れるのは無粋というものであろうし、特に悪い点は見られなかった。このアニメの視聴層は子どもが多いため、この話をあまりよくないとする意見が多かった。どシリアスでギャグ要素も少なく、他の話とは一線を画すものであったが、ガヴリールドロップアウトにおける「天使とは」という哲学的な問いかけがこの話にはあるのだと思う。悪魔であるが天使的な心を持つヴィーネとサターニャ。天使であるがゆえに天界のルールを重視するラフィエル。天使であるが特別な一人のためにルールを破ったガヴリール。それぞれが「天使」な一面を持つが、「天使」とは一体何なのか。「天使」と「善(正義・正しさ)」を置き換えることにより、この問いを我々に訴えかけているのであろう。

 

総評

さて、以上の点を踏まえてこのアニメがあまり売れなかった理由は、次の3つにあると思われる。

・サターニャをいじめすぎ。可愛いキャラクターをいじめれば視聴者が喜ぶと思ったら大間違いであり、サイコパスでサディスティックな脚本家に書かせるとこのようにただただ不快なものとなる。「くまみこ」(雨宿まち)の例をもう忘れたのか。作り手はもっと学んで欲しい。

・1話のエロ(パンチラ・パンモロ)で視聴者を釣り、裏切った。サターニャのトイレシーンや、ガヴリールのパンチラが1話にあるため、これからもこのようなシーンがあり、ヴィーネのパンチラも拝めるのでは!?と期待した視聴者も多かったであろう。しかし実際はガヴリール以外のパンチラは一切無かった。見えそうで見えないのが良いという意見もあるだろうが、それなら1話でもやらなければよかった話である。期待させておいて結局やらない、というのは視聴者の失望を生む。

・演出が甘い。アニメを見ていてどうしてこうなったのか?という矛盾や不可解な点が多いと集中が削がれ楽しめない。思わせぶりな「巨匠動く!!」や、最終話のゼルエルのいにゅ(犬)の件など、不可解な矛盾点が多すぎる。